忘れるべきこと

他のRPGの経験がある? それは残念ですが、まあいいでしょう。
ですが以下の観念については捨て去る必要があります。
これらはパラノイアを体験するにあたって邪魔になるものです。


1. キャラクター間、プレイヤー間の団結。

他のRPGでは普通、チームで自らの役割を守り、アイテムは等分、チーム内での争いを避け、協力することを薦めてきます。
パラノイアでこのように他人を信頼しきった振る舞いをしていると、6分間で6回殺されることになるでしょう。
「誰も信じるな」、とりわけチームを共にする他のプレイヤーのことは。


2. 武器や戦利品を求めての冒険。

他のゲームでは財宝、カッコイイ力、ダメージの大きい武器、といったものを求めるのが普通です。
対してパラノイアでは、最も強力な武器は実験段階にあります。
貴方はすぐに、実験段階の武器は信頼に値しないと身をもって学ぶでしょう。

貴方にはミュータントパワーがありますが、これも制御が難しく、失敗する傾向にあります。

ミッションに成功すればコンピューターはクレジットを与えてくれます。
このクレジットで色々便利なものや要らんものを買えるのは確かですが、
あくまでもクリアランス的な意味で所持が許可されている場合のみです。


3. 複雑なパーソナリティの設定。

他のゲームでは、精神的な深みをもたせた高度に独自性のあるキャラクターを作り、時間の経過とともにこれを魅力的な形で育て、また変化させていく、みたいなことができます。
パラノイアで自分のトラブルシューターに愛着を高めるのはあまり賢明とは言えません。
トラブルシューターの典型的な寿命は、数時間とは言わないまでも数日という単位で計られます。
また、コンピューターは従順を良しとし、興味深い振る舞いや風変わりな振る舞いなどは、違法とまでは言いませんが疑いの目で見られます。
キャラクターを深堀りするよりも、ゲームの雰囲気を味わうようにしましょう。
トラブルシューターについては、プレイヤーの願望、企み、恐怖を代行する替え玉程度に考えておいたほうが、よりこのゲームを楽しめます。


4. 網羅的な能力値、技能、戦闘手段。

他のRPGの多くは精巧なキャラクター作成、移動、戦闘システムを持っています。
この種のゲームでは、ほとんどどんな状況でも、プレイヤーはキャラクターの行動その他を細かく制御できるようになっています。
パラノイアでは、制御などできません。
移動でも戦闘でも環境でも、その詳細を決めるのは全てゲームマスターです。


*


貴方の目に見えるものをGMが伝えます。貴方は何をしたいか言います。何が起きたか、GMが伝えます。
戦術的最適解を求めようなどとはしないことです。求めるべきは、ドラマ的最適解です。
最も人を楽しませたキャラクターが勝者になるのです。


良きショウを演れば、運命は貴方に微笑みます。
そうすれば、退屈なキャラクターが、まさにトラブルシューターのように死んでいくのを高みから眺めて楽しむような位置につけるでしょう。
楽しいと思いませんか? もちろん楽しいはずです。楽しむのは義務なのですから。
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